人間の生命力の不思議さ、人間の生きる力の凄さ!

 季節のめぐりがなんて速いことでしょう。

 最近、いろいろなことが次から次に起きて、気が休まることがなかったのです。

 ある50代の男性ですが、今まで病気らしい病気などしたことがなかった方でした。明日から施設に入所というその方が、突然倒れました。胃に潰瘍ができていました。

 1週間で治り、さあ退院という日に原因不明の熱が出て、それが治まったら今度は食べることができなくなり、またまた大変な状態になりました。

 身体が硬直して、生命の危険すらあったようです。今度はさすがにもう無理かも知れないと思いつつも、お元気になられることを祈っておりましたら、何とそれも10日間で快復しました。 

 ただその男性は歩くことが出来ません。車椅子で退院して、さて何ヵ月で歩くことができるのだろうか。まずリハビリからと考えていました。

 1週間程して、その男性に会いに行きましたら、本当に驚きました。しっかり歩いておられるのです。食事を飲み込むこともできなかった方が、しっかり食べていました。何の心配もなくなりました。

 それから三週間ほど様子をみた後、施設にようやく入所することができました。今では施設での生活に慣れて、いきいきとした目をして、良くおしゃべりをされています。

 一体、あれはなんだったのでしょうか?ご本人の緊張とストレスから来たのでしょうか?先日面会に行きましたら、顔も明るくなって朗らかにおしゃべりされていました。

サフラン

サフラン

 やれやれと、私自身がようやく落ち着いたころ、今度は別な方が私の目の前で脳内出血を発症して緊急入院しました。

 60代前半の男性ですが、先程まで元気だったのですが、その夜から数日生死の境をさ迷われ、いよいよだめなのかも知れないと思い、葬儀の打ち合わせをしたのです。

 人工呼吸もせず、その後胃ろう(お腹に穴を開けてチューブで栄養を取る)もしなかったのですが、意識を取り戻しました。
しかし、左半身のマヒが残ってしまいました。

 本当に、命の不思議さを感じます。

「退院しますよ!」と話しましたら、嬉しそうな顔をされました。もともと内臓の状態は、よくないと言われており、ご本人は自分の状態がだんだん理解出来てきたようで、時々悲しそうな顔をされるようです。

 マヒをリハビリすることで改善できればいいのですが。

 残念ながら、医療的なことは何もしてあげられません。

 ただいろいろな手続きはやっています。

入院しますと費用がかかります。びっくりするほどの請求書がきました。高額医療費の減免の申請、保険金の支払い請求(幸いにも入院保険に入っていました)、エアマットの購入など、ご本人の為に必要なことを全てやります。

 最近面会に行きましたら、だいぶ覚醒が出来て、話し言葉もしっかりとしています。まだ食事はできませんが、まもなく練習できると信じます。

 ソーシャルワーカーのお仕事を通じて、人間の生命力の不思議さ、人間の生きる力の凄さを、現場で強く感じる今日この頃です。

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